Wireless JapanのHTML5セミナーで聞いてきた内容

ここに書くのは間違いだと思うが、一応、Wireless Japanなので。

覚えているところだけ。これだけ日にちが経っているのであやしいかも。微妙なニュアンスが違うかもしれない。

ドワンゴのニコニコ動画のスマホ対応についての話

2007年6月29日、iPhone発売。その後、ニコニコ動画アプリは2009年4月27日に発売。2年近くの遅れ。原因は2つ。1つはアップルの審査。ポルノとみなされるコンテンツがあり許可されない。もう1つはswf形式からの変換。「ユーザーには同じ動画にしか見えない」

2010年4月8日、iPad発売。川上さんがHTML5とiPadでやろう、と。審査する必要ない。HTML5について調べると、Video、XHR、FastDOM。これは使えそうだ。2010年9月29日にリリース。

Androidユーザーが怒る。なぜHTML5という標準技術を使っているのに、使えないのだ。2011年8月2日リリース。しかしFlashアプリ。Flashにしたのは既存の部品を使いまわせるため。

Flash vs HTML5という話がよく挙がる。HTML5は銀の弾丸ではない。しかしFlashもまた銀の弾丸ではない。ユーザーからのHTML5への期待がとても大きい。開発者としてはそう見える。

SPDYとWebSocketとWebRTCについての話

SPDYはHTML5に入らない。

WebRTCはSIPのイメージ。

CSSとセキュリティについての話

Acidテストに合格するようにIEが対応してきている。

ブラウザ連合が WHATWG というコミュニティー作ってやってる。

JITの過去の脆弱性。Firefox 3。

データと命令が分離していないのが問題。XSSはHTMLとJavascriptが混合。SQLインジェクションは文字列とSQL命令が混合。

w3cについての話

w3cのホストを日本のSFCがやっている。意識してほしい。

実装ありきで後からRecommendationとする。日本語で勧告というと強いイメージだが、英語のRecommendationの意味で考えて欲しい。推奨する。

パネルディスカッション

標準化を一箇所にまとめてほしい。w3cは業界にとって標準を通しにくい。だから他所でやる。

他所でやってもいい。最近は microformats のように小さな標準を作るグループがある。そういった提案を吸い上げていければいい。

ニコ動の家電利用を推進する「キテラス」始動、幅広い利用者の取り込み狙う

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2009年の無線LAN動向のまとめ

個人的に重要だと判断した2009年の無線LAN関係の記事をまとめた。特に今月12月中の無線LANのニュースが多い。

無線LANの記事なんでどーでもいーべ、と特に感想を書かなかった部分を重点的に振り返りたい。

おおざっぱには、WPA-TKIPの脆弱性が明らかになったこと、802.11nが批准されたことが特に重要なニュースだ。個人的な感触としては、ネットワーク対応プリンタが無線LANを搭載するようになったと感じた。それほどまでに生産コストを感じさせない安さに無線LANモジュールがなってきている。

4月

「Bluetooth 3.0」規格が正式発表,802.11採用で最大24Mbps
Bluetoothは無線LANと同じくれっきとしたIEEE標準規格だが、物理層は別のものだった。今回の規格では、通信に無線LAN(802.11)のMACとPHYを使いましょうよ、という提案。Bluetoothプロトコルから802.11プロトコルへの載せ替えにPAL(Protocol Adaptation Layer)という仕組みを作りますよ、ということ。つまり、Bluetooth 3.0≒802.11となるわけで、もうBluetooth PHYはいらない子とか妄想する。

個人的な思想では無線LANインターフェースの普遍性はUSBを越えて無線LANインターフェースの普遍性はUSBを越えて (2)にあるように周辺機器のインターフェースは802.11でいいじゃん論者なので喜ばしい限り。802.11に唯一足りなかった点はペアリングの容易さなのだけれども、それをBluetoothが補うのも良きかな、と。だけれども24Mbpsまでしか対応しないので、802.11本家の規格のペアリングはどうなった?(AP不要の「Wi-Fi Direct」仕様、今年末までに完成へ――端末同士を直接接続)と調べてみると、年内には出そうとしているのね感が漂ってくるので、やっぱ802.11でいいじゃない、と思うに至る。そういえばWireless USBどこいった?

5月

KDDI、携帯から無線LAN接続可能なサービス「Wi-Fi WIN」を提供
ホームU とは

携帯電話と無線LANの融合が、ここまできてやっと進んできたのは喜ばしいことだ。これについてはそろそろ携帯電話に無線LANが標準搭載されてもいい時期である件についてとボヤいた。

9月

IEEE、無線LAN規格「802.11n」を正式批准
ようやく、という所。規格としてはドラフト2.0で作業はほぼ終わった感があるので、どうということはない。製品はドラフト1の頃から出ていたし。これから製品をバンバン出荷していいですとも!

10月

中国で大ヒット中の「一生ネットが無料になる機器」とは!?
特徴は違法出力度の電波でつながりやすくなること、クラックツールつきで弱くなった暗号のAPを乗っ取れること。といっても鍵もかけないAPがコロコロしているようなので、電波力がアップする方が有利か。

11月

いろいろつながる、いつでもつながる。3G一体型モバイルWiFiルーター 「Pocket WiFi(D25HW)」を11月18日より発売
遅い。今年3月にはウィルコムがどこでもWi-Fiを出荷。6月にはUQ WiMAXに対応する無線LANルーターをIOデータが出荷モバイルWiMAX対応の無線LANルータ「WMX-GW02A」 – 価格15,700円。これでPHS、WiMAX、3Gの3つ全てのWiFiゲートウェイが出揃った。

これらのWiFiルータはWiFiゲートウェイとも表現され、ノートPCや携帯ゲーム機でWiFiしか対応していなくても、3GやPHSの回線を利用できるようになるというもの。ノートPCの場合、USB接続のアダプターをつければ通信できるようになるが、多人数で接続したい場合、またUSBのアダプターが対応しない機器(携帯ゲーム機やiPhone)に有効である。特に1つの無線回線を共有して会議したい場合などは、この手法が特に有効だ。

このことから、無線LANは無線ゆえに1つのもの(周辺機器だったり回線だったり)を共有しやすいという点も主張できる。

12月

バッファロー、無線LAN用ソフトウェアルータを実現する小型USBコネクタ
プラネックス、超小型無線LAN USBアダプター
世界最小の無線LAN子機たち。無くしそう。

HD映像無線伝送のAMIMONが新戦略、無線LANチップ・ベンダーにIPをライセンス(前編)
ああ、そうですか。

総務相、電子黒板をアピール 小学校を視察

 5年生の社会科の授業を見学した。電子黒板に書き込むと、無線LANでつながった生徒一人一人のパソコンにも同じ内容が表示される様子を見て、総務相は「すごいね」と感心。担当者から仕組みなどを聞いた。

少し前に、東大生のノートはかならず美しい本を2冊とも買ってしまったのだが、その中ではPCにメモをする場合とノートにメモをする場合に比べて、ノートにメモをする方が脳が活性化するなんてことを書いていた。例え、電子黒板が手元で表示されるとしても、ノートに手書きで写す行為、まとめる行為は必要だろう。しかし、先生が書いた黒板をあとになって確認できるのであれば、まとめノートを作るときに有効だ。

ちなみに「PSPと教育」の関連性は強い。昨年の話題では、福島高専が420台のモバイル端末(PSP)を利用してCMSを構築し、電子メールやSNSを活用した教育にいそしんでいると聞く。中学校でPSPを利用した教育−英国英国海軍が隊員を「PSP」で教育、本を読まない世代の学力アップを狙う。などの記事も記憶に新しい。これも無線LANあってのことだ。

このようなことをWiMAXや3G回線ではどうだろうか思案するが、既に携帯電話ネットワークとしては利用できる状態になっているわけで、映像教育を含むか否かが転送スピードとストレスの分岐点になるだろうと考えている。テキストのみでは3G、WiMAXでも十分だろう。構内にLANを張り巡らすことが面倒であれば、前述のWiMAX-WiFiゲートウェイを設置するだけでも良いのではないか。

地デジチューナーなどをLAN共有できるUSBアダプタ登場 有線USBデバイスを無線で利用可

 ETG-DS/USは同社が「USBデバイスサーバー」と呼ぶ製品。外付けのHDDや光学ドライブ、プリンタ、スキャナなどのUSB 2.0機器をネットワーク経由でPCと接続、切り替えながら使うことで1台のUSBデバイスを複数台のPCで共有できる。本体には2つのUSBポートが用意され、別途用意したUSBハブを接続することで最大15デバイスまでLAN共有可能になる仕様。

USBをネットワーク共有できるようにする製品。地デジチューナーにも対応するとのこと。これもUSBよりも普遍的なインターフェイスである無線LANへの変換事例。

まとめると、PHS、3G、WiMAX、USB、Bluetoothが無線LANとの相互乗り入れを求めている。

Win7搭載PCを無線LANアクセスポイント・ルーター化する「Connectify」が正式版に
仮想AP機能に対応しない古い無線LANアダプターもアドホック接続で利用可能。前述の3GやPHSのWiFiゲートウェイのPCバージョン。USB接続の3G回線を持っていれば、他の人のPCやゲーム機も接続できますよ、と。難点はPCを起動しなければならない面倒さ。コストはかからないので、前述のデートウェイを使うほどまででもない用途であれば、これで十分だ。

米マクドナルド、無線LANを無料開放へ=全米の店舗で
日本の喫茶点ではPSPを持ち込んで対戦する人が多いと何度も書いた。公衆LANではノートPCを利用している人も多いはず。そういった時代の流れを汲んでの発表。日本でもやる場合の検討は回転率との相談になるかも。

2.4GHz帯の解析を低コストで実現!USBスペクトラムアナライザーWi-Spy
無線LAN電波状況解析ツール「Wi-Spy」がIBSジャパンから!
4万ちょい。これはいいものだ。が、少し迷う値段。

コグニティブ無線ルーターとは
夢の技術。

iPhone&Twitter対応 進化した体重計「WiFi Body Scale」
ユビキタスとしては、個人的にこれをずっと待っていた。買うかも。重要なのは無線LANを搭載したということ。次に流行ると思っているのは、電力計with無線LAN。エコブームで、消費電力の低い無線LANルータが出荷されているなど、無線LANもエコとは無縁ではない。体重計もエコである。人が痩せることで交通機関の積載量が減り、結果としては燃料の節減になるとの予測の上であろう。人が痩せれば経済効率は最大化するのである。そうした流れでは人間のバロメーターである体重以外にも、家庭内家電のバロメーターである家庭内電力の測定も重要な課題であり、それほどまでの課題であれは無線LAN搭載もやむなしであろう。

これは流行る。

感想

WPA崩壊によるリプレース、買い替えに最適なのは今年に批准された802.11n技術だ。そして、それらの相互接続を容易にするWiFi Direct技術。USBや3G回線、体重計、デジカメなどの豊富な相互接続先。無線LANチップが安価になったことにあるノートPCやプリンタなどの周辺機器の標準搭載。そのような要素が教育に十分であるとの判断からの、教育内ネットワークの構築と無線LANを搭載したPSPの活用。この方向性は正しく、来年はより人が使うことに着目した無線LAN搭載製品が出荷されることだろうと予測する。

特に来年はWiFi Directによるペアリング元年となるだろう。そうしたとき、無線LANと周辺機器の相性は抜群になる。そう考えれば2010年も無線LANは明るい。

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すれ違い通信とマルチホップの目的

ドラクエのすれ違い通信の報道を見るたびに、マルチホップを行うアドホックネットワークとの目的の切り分けはどうするべきか、という課題を思う。

すれ違い通信は、リアルタイムの情報交換を目的とせず、最近の言葉で言えば、非同期の通信によってチャンスがあるときに送信するという方式である。これによって、全体のノードへ情報がもれなく行き渡ることをそれほど期待はしないが、同じ情報を欲しがる相手に伝える、またノードは移動するという前提に立てば十分に利用できるものだ、ということをドラクエ9の報道が証明しているように見える。

アドホックネットワークによってアドネットワークを構築して顧客端末に広告を配信するというシナリオを仮に立てる場合、それはアドホックネットワークである必要はなく、すれ違い通信のような非同期な形式で問題はないということだろう。これは、ノードが動的であること、またリアルタイムの通信を行ったり往復の通信を行ったりする必要がないためだ。

このため、アドホックネットワークがそれである理由は、通話のようにリアルタイムに情報の交換が行いたい要求があるとき、また届いたということを確実に確認したいときに利用したいということだ。届いてくれたら嬉しいが、破棄されたら破棄されたでかまわないような情報の場合、非同期な情報のやり取りの方が適している場合も考えられそうだ。

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そろそろ携帯電話に無線LANが標準搭載されてもいい時期である件について

無線LANという短距離通信における安価な標準規格が、デファクトになりつつあったとき、これは携帯電話に搭載されるだろうという予測を誰もがしたと思う。そうすることで、赤外線を使わずともデータ通信することができ、家庭内の無線LANネットワークを利用することができ、通りすがり通信することができるからだ。

家庭内の無線LANを利用せずにiモードが使えたら、電話をすることができたら格安で助かる。誰もがそう思うだろうし、FMCにおける1つの決着点でもある。しかしながら、既存の携帯電話キャリアは無線LAN端末はビジネスフォンにのみ限り、一般消費者への提供は行ってこなかった。bluetoothという近距離無線通信のためのチップを搭載しておきながら、だ。

その理由は携帯電話キャリア側に立ってみると、分かるかもしれない。当初、携帯電話キャリアの収入は、簡単には 崢模知繕癲廰◆屮僖吋奪販繕癲廰「基本料金」であり、そのうち´△亮入は大きいものがあった。´△亡悗靴討禄称明を採用することで通信料を抑え、まず先に品質を保つことを優先したのだと考えられる。

また補足として◆屮僖吋奪販繕癲廚亡悗靴討iアプリと呼ばれる携帯電話上のアプリケーションのダウンロード、着メロと呼ばれる音楽ダウンロード、動画ダウンロードなどのコンテンツを用意することでパケット使用量の向上を狙っており、ユーザーはその狙い通りに使用量を増やしている。またサイト課金、アプリ課金を行えるようにし、顧客から携帯電話の契約を通して決済ができるようにすることにより、サイト業者、アプリ業者が生きられる環境を整備することができたという点も大きい。

この収益構造において、無線LANによる「パケット通信」が行えるようになった場合、パケット使用量の向上を狙えず、パケット通信料は落ち込む。現時点において1顧客あたりの「通話料」vs「パケット料」では、「通話料」が落ち込んでおり「パケット料」が向上する方向にある。このうちパケット料による収入を減らす要素を持つ無線LAN導入には悲観的であった。

その後、パケット通信料の使用量の増加が始まり、コアネットワークも充実したのだろうか、パケット定額制が始まった。パケット定額制によって1ユーザあたりパケットに使用する料金の限界ができたことによって、特定ユーザの遊びだったパケット通信が、一般ユーザにまで浸透したと見ることができる。これによって56kモデム回線からISDN・ADSL定額制のときのような爆発的な広がりを見せた。

しかしながら、現状のADSL・光回線業者が懸念する悩みと同じ悩みを携帯キャリアも持つようになった、と予想される。それは数字的には適当だが、1割から2割の一部ユーザが7割から8割程度のトラヒックを発生させているのではないか、ということだ。定額制において単純に考えれば全ユーザの利用トラヒックの平均よりちょい上あたりに定額のラインが引かれるはずだ。このようなケースを考えると、定額の料金を引き上げているのは一部のユーザであり、これらのユーザの利用を制限したい思いに駆られる。それがau、EZwebの大量通信ユーザーを対象にした速度制限試験だったのだろうと推測される。

この2割程度であろう一部ユーザの過剰利用について考える必要がある。このようによく携帯電話のパケットを消費する利用者について推測していくと「PCユーザではない」「動画・音楽のダウンロードをしている」「年代にそれほど違いは無いが若年層ほど多い」という特徴が伺えそうだ。つまり、PC利用者ではないために携帯電話でエンターテイメントを楽しむ生活スタイルができており、その1つが動画・音楽である。それを収集癖のある人間は毎日のようにダウンロードする。よってトラヒックを圧迫するようになる、と考えられる。ニコニコ動画は携帯向けにもサービスを行っているが、このようなトラヒックが大きくなっているのではないかということだ。

彼らのトラヒックをどうするのか?という答えは、タイトルどおり「そろそろ携帯電話に無線LANが標準搭載されてもいい時期である」ということになる。その決定的な理由はこれまでつらつら書いたとおり定額制の普及だ。

定額制の問題は一部ユーザの過剰なトラヒック利用であるが、これを強制的に閉ざすことは課金コンテンツの成長を考えてもよろしくなく、別の方法で制限したいと思うようになる。そのいくつかの手法が、^貮凜罅璽兇梁唹萓限CDN構築L祇LAN搭載、だ。

,砲弔い討魯ャリアは積極的に行いたい理由、行いたくない理由はまだ自分自身見定められていない。確証は低いがユーザの噂による離反を恐れているように感じる。△砲弔い討鰐祇帯域の効率化にはならず、根本的な解決にならない。

だとすれば、の無線LAN標準搭載は重厚な考えではないかとも思える。以前考えられた無線LAN搭載によるデメリットは、従量制によるパケット使用量の低下による収入低下であったが、定額制である以上はそれほど影響し得ない。であれば、懸念材料となるのは、”そもそも定額制に入るユーザが少なくなってしまうこと”であると思える。しかし、もともと定額制を使ってきたユーザであるがため、家庭内無線LANの範囲外で利用したいというニーズも根強くある。

別の側面で見れば、スマートフォンという存在が既に無線LAN搭載端末を許容している。例えば、iPhone, Androidなどがそれだ。

そもそもこの文章で仮定してきた2割のトラヒックを利用するユーザの特徴は「PCユーザではない」「動画・音楽のダウンロードをしている」であり、そのスタイルは無線LANであっても変わらない。そのため、このようなユーザに対してインターネット回線を利用することによって高速にダウンロードできる点を付加価値により高価格でふっかけることに成功すればいい。もしくは現状の定額を据え置きにしたまま高トラヒックユーザを縛り、逆に高トラヒックユーザを追放した低額な定額プランを用意して残る7,8割のユーザをそちらに移行できれば、各人は幸せになれる。

もし高トラヒックユーザを無線LANで縛るのであれば、別のやり口もあり、例えば固定キャリアと協力することによって継続的な利益を得やすくするという手段もありえる。その場合、固定系との連携によるFMCというシナリオも存在しえる。

つまり、固定込みのストーリーをえがくとすれば、固定+携帯のFMCが出来た、固定でFMC用の無線LANアクセスポイントを配布する。その無線LANで携帯電話から電話が出来る、そうすると固定を使うので安くなる。さらに、PCをしたがらない定額パケットユーザに対しては、インターネットを通した高速回線を用意しましたよ、という流れになる。サイト課金・アプリ課金は携帯中心の方が個人会計できるので上手くいきそうだ。

そうした利用形態を想像すると、「そろそろ携帯電話に無線LANが標準搭載されてもいい時期である件」と思えたりする。もし搭載するのであれば、キャリアの足並みをそろえた搭載であることがFMCへのシナリオを考えても望ましい。

このシナリオへのスタートは各社「ケータイ無線LAN」の提供開始について 【WIRELESS JAPAN 2009】KDDI、携帯電話向けmicroSD無線LANカードを参考出展さらには昨年のN906iLと様々に行っているように思える。

この動きがどのようになっていくのか、無線LANユーザは必見であろう。

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802.11nが9月に正式な標準へ

IEEE 802.11nが9月に承認、正式な標準規格へ の記事にて802.11nが9月に正式な標準に認められるとしている。

802.11nについては、途中、ドラフト1.0、ドラフト2.0の製品が出荷されたことが感慨深い。ドラフト製品の流通に関しては消費者を混乱させるだけだという声が多かった。標準化されていない規格の製品が出回ることによって、相互接続性に問題が出たり、標準化規格との整合性が取れなかったりするケースを危惧したためだ。特に無線LANについては、802.11そのものの規格作成以前のカオスな状況を体験したことが大きかったのかもしれない。

結末を見ると、ドラフト時点の製品はWifiアライアンスのDraft 2.0として相互接続性の検証作業が正しく進められ、混乱はなかったように思える。こうしてみると、規格作成のみならず認定機関の相互の存在が、規格としての意義、相互接続性を確保しているのだな、と感じる。

標準化が終わることで、製品に標準搭載されることも近いだろう。100Mbps超を実現する無線伝送技術として長く利用される規格となってほしい。

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無線LANインターフェースの普遍性はUSBを越えて (2)

以前、無線LANインターフェースの普遍性はUSBを越えてという記事内において

PHSから、3Gから、WiMAXから無線LANに変換するインターフェースの製品化が進み、顧客は無線LANインターフェースを持つだけで自由に広域無線を切り替えられるような利用方法を、好むようになるのではなかろうか。

という議論を行ったが、WiMAXを無線LANに変換するためのルータが発売されていたようだ。詳しくはWiMAXを無線LAN接続に変えるルーターをチェックを見ていただきたい。

最近、イーモバイルにしろ、UQ WiMAXにしろ、USBタイプのインターフェースを必ず発売する。USBのインターフェースとして優れている点は規格が公開されており、誰でも開発できる点だ。最近のルータは(おそらくは)Linux化が進んでおり、USBのドライバもある程度そろえている。つまり、Linux向けにUSBドライバを作ってしまえば、公衆回線に対応する無線LANルータは簡単に作成できてしまう。

逆に言えば、USBの弱点は1つの製品を複数のPC、多人数で共有できない点だ。USBプリンタやUSBスキャナを共有したい場合、結局はネットワークを通した共有を必要とする。

そこで組み込みの安価な製品でIPネットワークを利用して共有を行うという思想で解決を図っている製品がいくつかある。ネットワーク上のプリンタ実現のための無線LANプリントサーバMini-102MGについての考察のプリンタサーバも、思想はそこにある。

無線LANとは単純には有線を無線にするための安価な道具だが、無線にすることのメリットは線がないと共に、「1つのものを複数で共有できるインターフェース」でもある。この強みは現在のノートPCにほぼ無線LANが搭載される状況下では効果的であり、かつ、携帯ゲーム機にも云える事だ。(無線LANの採用するCSMA/CAは、1つの無線帯域メディアをどのように複数端末で平等に共有できるかをテーマにしているのだから、当然といえば当然だ。)

今後の製品としての指針は、ネットワーク対応が必須化する中において、そのインターフェースを有線LAN、無線LAN共にIPという1つのものに集約していくことだ。そうすることによって、1つの製品をインターネット上、ホームネットワーク上を問わず、広い概念で利用することができ、また製品を複数人数・複数機器で共有することも可能になる。

ただ、悲しいかな、無線LANのアドホックモードは、それほどに簡単に利用できるものではなく、インフラストラクチャーモードとの共存も今のところ上手くできていない。つまり、インフラストラクチャーの効力が発揮できない場所における機器利用では、アドホックモードへの利用者が切り替えをしなければならない。つまり、アクセスポイントの近くでなければ資産を有効活用できない課題がある。無線LANで1ホップで機器が利用できる範囲にあるのにも関わらず、である。

既存の製品の多くは「無線LANアクセスポイント」もしくは「無線LAN子機」であり、アドホックモードを利用できる「無線LANノード」と呼べるような製品は少ない。単一の独立した無線LANノードとしての振る舞いは難しいし、ほとんどのケースで無線APとの接続で事足りるからだ。

これに立ち向かっているのは一部の無線LANアドホック接続可能なプロジェクター群であり、アドホックモードによる接続を可能にしている点において評価したい。持ち運び可能なプロジェクターを利用する場所として、AP支配下にあるケースはまれで、かつ高価であるプロジェクターは共有したいという考えが利用者にはある。アクセスポイントがない場所でもPCから無線LANで接続して映像を送りたいという要求を満たすものとしてアドホックモードを採用したと予想できる。が、「アドホック」と「インフラ」の手動による切り替えが必要な点において、戸惑いがあるのも確かである。

このインフラとアドホックをシームレスに変更できないという問題をMAC層レベルで解決するべく802.11sという規格があったようななかったような気がするが、こうした流れを分かってやっているのか分かっていないのかBluetoothの二の舞なのか、分からない。

今となっては、マルチホップするという点よりもシームレスにアドホックな利用とインフラ利用を切り替えできるという点において、USBよりも普遍性の高いインターフェースを実現するという意味において、802.11sに魅力を感じている。

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富士通が1000台規模のアドホックネットワークを開発

最近、「大規模アドホックネットワークの場合に利点がある」という着地点について、じゃぁ大規模ってどの辺りかしら、大規模の場合に有利になる特徴ってなにかしら、と議論をしていたりする。ノード数の問題はアドホックネットワークの目的次第では課題になろう。

富士通,1000台規模のアドホック・ネットワークを構成できる技術を開発 – 通信 – Tech-On!

従来,実用水準では通信機器50台程度が限界だったという。センサ・ネットワークなどに向ける。

今までは50台程度が限界だったが、1000台規模を可能にしたという。目的はセンサネットワークだそうだ。

 今回,制御パケットの発生を大幅に削減するアルゴリズムを開発した。個々の通信機器が隣接する機器との通信品質や死活状態を監視して,品質の高い通信相手を選択する。このとき,個々の通信機器が最適な経路を学習し,状況に応じて品質の安定した経路に切り替えるようにした。これにより,通信機器などの障害発生時や,ネットワークのトラフィック増大時などに,個々の機器が自動的に他の通信経路を選択して,通信を修復・維持することが可能になったとする。

正直、自分ではこの文章から他の実装と比べて何が違うのかがよく分からない。おそらく「制御パケットの発生を大幅に削減」と「品質の高い通信相手を選択」の具体的な手法に新規性があるのだと思う。

 開発したアルゴリズムは,有線式と無線式のいずれにも適用できる。

アドホックネットワークという表現を用いる場合、それはIP層の有線・無線を問わないマルチホップのことを指す。IP層のアドホックネットワークの場合、それ以下の物理・MAC層はケアしないという理念があったりする。よって「無線アドホックネットワーク」と銘打たない「アドホックネットワーク」は有線も含む意味の場合がある。

記事が見られない場合は、hirax.net::Keywords::「Greasemonkey」のブログTech-On!(techon.nikkeibp.co.jp) | userstyles.orgあたりを参考に。

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ITS(車ネットワーク)上のマルチホップについて

3つ情報が溜まったので出す。

平成21年3月11日
総務省|ITS無線システムの高度化に関する研究会|ITS無線システムの高度化に関する研究会(第3回)議事要旨

○ 路車間通信と車車間通信に求められる通信要件が独立に決められているようだが、情報を扱うという視点では車車間通信と路車間通信は共通の通信要件があるのではないか。また、車車間通信では通信の相手数を500台程度としているが、車の長さを4mと考えると少なくとも2km先の車とも通信することになる。これだとマルチホップが必要になるのではないか。出会い頭で本当に500台も通信相手が必要となるのか、また都市内では信号機の間隔が500m程度であり、それを超えて通信を行う必要性も分からない。現時点では精緻な検討は出来ないのは分かるが、これでは大雑把過ぎるのではないか。

500台っていう数字が・・・すごく・・・大きいです・・・。

2008-12-03
ETRI、車両間通信技術を開発

「車両間マルチホップ通信技術」は道路や車両の突発状況を感知して周囲の車両に警告メッセージを放送することで車両運行の安全性を高め車両グループ間の通信や集団運行を支援する通信技術。

中略

この技術は5.8GHzのITS周波数帯域を使用して200kmのスピードで高速走行中でも無線通信が可能であり、パケット送受信伝達時には車両間のマルチホップ通信が可能。

この技術を利用すれば車両の衝突事故率が減少して自動車事故による経済的処理費用を年間1兆ウォン程度減らすことができ、車両とインフラ間の通信は国家ITS通信網やu-city通信網の構築にも必要な通信技術とされている。

技術を利用した場合の社会的利益について言及する人は偉いと思う。

2008/11/13
渋滞情報などを対向車から取得、NECがプロトタイプを開発

LinkBird-MXは、NEC欧州研究所が開発した車車間通信プロトコルの制御ソフトウェア「C2X-SDK」を中核に、車載用の装置として実現したもの。C2X-SDKは現在の車の位置情報を他の車に通知する機能に加え、その位置情報を元に情報の伝送経路をリアルタイムに変更する PBRV(Position Based Routing for Vehicular ad-hoc networks)機能を実装、複数の車を中継した通信(マルチホップ通信)も実現するとしている。

車車間通信のアドホックな話は「マルチホップ」というキーワードでしか集まらないので、注意が必要かも。

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ラスト10mというマルチホップの1つの活路

最近、ガスの検収に人が来ないという話を聞いた。人が来ないならば誰が来るのだ。

NTT,東京ガスなど9社がスマート・メーター用の無線システムを開発

 この通信システムは,電池で10年間稼働させながら数kmの通信が可能な広域無線技術と,数十mしか届かないがマルチホップ通信が可能な近距離無線技術およびこれらの無線機とメーターをつなぐ通信インタフェースを組み合わせたもの(写真)。基地局と通信できるメーターは広域無線システムを使い,ビル影や屋内にあって基地局と直接通信できないメーターは近距離無線で通信する。ネットワークは自動的に構成されるため,メンテナンス・フリーだという。既にNTTや東京ガスなどが実験を進めており,実用性は実証済みである。

このニュースを見たとき、やってくれたか、と思った。嬉しかった。

マルチホップの1つの解が、ラスト10mにあると思う。

マルチホップで数kmを通すのは正直、困難だ。出来たとしても多数のノードをばら撒く前提では上手く動作する気がしない。ダイナミックなトポロジで実用で安定的に使えるのはせいぜい2ホップ、3ホップ程度までだと思う。根拠はないけれど。

で、長距離通信に関しては3GもPHSもWiMAXも公衆無線LANもあるわけだから、あるものは使った方がいい。で、最悪、これらの広域無線で届かない場所も出てくる。実際にマンションの中で電波が入ってこないとか可哀想な人もいるのだから、ガスや水道のメーターで通信できない場所があることだろう。そのような場所は大概2,3ホップもすれば十分なので、ほぼ全域をカバーできる。

さらに、

 今回開発したシステムでは,ネットワークにメーター以外の機器もつながる仕様になっている。具体的には,近距離無線技術を使ってガス漏れ警報機や火災警報器,照明のスイッチなどが接続可能だ。このため,構築したネットワークをメーターの検針以外のサービスにもつなげられる。

という仕様も興味をそそる。メーターの検針以外にも利用できるとしているが、すなわち、水道、ガス以外の製品の検針も出来ることの方が面白い。

例えば、冷蔵庫や薬箱、お菓子箱などの状態を検針することが出来れば、その人に合わせた適時現物支給が行えるだろうし、マンションレベルで検針可能であれば一括してサービス提供できるため、人の苦労が少なくなる。

このような外部と接続するようなサービスを構築することを考える場合、ネットワークが保証されている・既に敷設されている方が都合がよい。ブロードバンドを入れていない顧客が存在するだろうし、ふいにブロードバンドの設定が間違って接続できない状況になってしまうかもしれない。また、保証されるネットワークとして皆がみな、NGNに入ってくれるとは限らない。そんな環境において、「ガスの検針は無線で行っているので、このサービスも受けられますよ」と言われたら、喜ぶ人は居そうだ。

ただし、このような用途においてはセキュリティもプライバシ込みで考えなければならない。
#
やっと、このネタを書けた。

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Eye-Fiのビデオ版が出るようで

無線LAN搭載のSDカード「Eye-Fi Share」に動画対応の4GBモデル――2GBモデルの価格改定も

そろそろ買うかなー。

個人的に気になるのは、ビデオ対応のところなのだけれども、HDDレコーダーの中にはSDカード出力に対応しているものがある。そのSDカード出力を受け取ってアップロードして自分だけで見られる環境にできるのであれば、HDDレコーダーで取り溜めた動画を外出先で見たりできて嬉しいな、と。

1つ思ったのだけれども、microSDにしてくれれば、携帯電話で写真を撮って、それをアップロードすることも出来るので良さげ。

加えて、SDカードへの無線LANによるデータ注入ができるようになれば、音楽や動画の持ち歩きがすっごい楽になる。具体的には、朝、携帯電話を置いてPCを1クリックするだけでその日の気分の音楽が入るような。

この手の無線LAN機器、例えばPSPなんかは無線LANを持っているくせに純正ではUSB接続のみのファイル移動になってしまうので、辛い。この元凶はおそらくは、無線LANのアドホックモード(IBSS)の規格の一段階上にBluetoothのようなファイル転送プロファイルが共通の仕組みで標準化されなかったためだと思う。

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