ITmedia +D モバイル:「2.5GHz帯を全力で取りに行く」──ソフトバンクモバイル松本副社長 (1/2)
松本氏は開口一番「ソフトバンクモバイルにとって、2.5GHz帯は是が非でも獲得したい周波数帯だ」と話した。理由は、携帯事業者3社のうち、ソフトバンクモバイルはサービスを行う上で有利とされる800MHz帯を持っておらず、上位2社に対して圧倒的に不利な立場にいるからだ。
次世代無線網としてドコモさんはスーパー3G、KDDIさんはRev.Cの導入を進めています。ソフトバンクとしては一応ドコモさんのシステムに相乗りしていくのか、という予想が立ちますが、その先の次世代ネットワークを考えると周波数を持っていないので不利という考えらしいです。
800MHz帯は、周波数の再編があるために2011年までに整理されるものの(2004年11月の記事参照)、次世代ネットワークサービスを行う上でも俄然有利とされている。1.7GHz帯や2GHz帯と比べると、電波の直進性が低く、建物の陰などにも回り込みやすいという特性があり、少ない基地局でエリアが構築できるからだ。コスト的にも圧倒的に魅力的となる。
1.7GHz帯や2GHz帯と比べると800MHz帯の方が電波の回り込みがあり繋がりやすいという特徴があると説明されています。
「ソフトバンクモバイルでは、技術システムとしてはWiMAXが第1候補。第2候補に802.20を検討している。これからじっくり実証実験を行い、両社を徹底的に検証してからどちらを選ぶか決めたい」(松本氏)
QUALCOMMさんが推し進めている802.20を第2候補にあげ、第1候補にWiMAXをあげています。が、
「ほかの通信事業者は、今の時点で(2.5GHz帯で利用する技術を)モバイルWiMAXに決めてしまっているようだが、技術検証もしないうちに(方式を)決定してしまうとは理解に苦しむ。ネットワークシステムの選択というのは通信事業者の命運を決める重要なこと。将来的にユーザーにどんなサービスを提供できるかが決まってしまう。それだけに、通信事業者は技術をきっちりと見極める必要がある。自ら技術検証もせず、シミュレーションの数値も見ずに、すでにWiMAXに決めてしまった事業者、一人一人に面接して、それでいいのか、無責任ではないのか、と問いただしたいくらいだ」(松本氏)
と、実際に検証してから使おうぜ、と他のキャリアに対して疑問を呈しています。WiMAXと決めたのは標準技術によって構成された安価なシステムで、筋が良さそうだったからでしょう。
「MediaFLOは、周波数が整理される2011年から始めるという選択肢もあるが、さすがに5年も待つことはできない。できれば、2008年中にも始めたいと思う。700MHz帯はいたるところに電波の空き地があるので、そこを利用させてもらいたい」(松本氏)
MediaFLOのビジネスモデル自体は面白いものだと思うのですが、日本人の性質に合うものになるかどうかは怪しいと思います。2011年までに映像の一分野として確立できれば光はあるかもしれませんが…