WiFiの通信の安定性に疑問を持っている。
PCIスロット無線LANの無指向性外部アンテナによる室内の見通し可能な距離5mのアドホックモードによる通信において、無線LANの怪しさを感じた。
その怪しさとは、
- 1cm動かしただけでスループットが5Mbps程度変動すること
- 5cm動かしただけでスループットが最大で20Mbps程度変動すること
である。
これは1秒ごとのスループット測定(netperf)を行いながらアンテナを移動させた体験が元になっている。
以上の結果を踏まえて、無線LANに外部アンテナが必要か否かという議論において、必要であるとしか言わざるを得ない。アンテナの位置しだいで室内見通し可能な通信範囲でさえ最大スループットが変動するからである。
しかしながら、ユーザは無線LANにおける最大スループットを気にするかどうか、思案すると気にしない方が多いのではないかと思われる。ノートPCのように可搬的なデバイスの場合はもっともそうだと思う。
反面、イーサネットコンバータのように移動性がなく、かつ、なんらかの事情で途中経路を無線LANにする必要があった場合だと、影響は謙虚だと思う。移動性がないデバイスの場合、スループットのパフォーマンスが影響する利用方法、例えばファイルサーバやネットゲームなどの用途が多いと思われるからだ。その場合、イーサネットコンバータを移動すればアンテナ問題は解決する。
ネットワークスループットが影響するデバイスの利用用途の場合、アンテナを移動することのできる(受信側)無線LANデバイスを購入した方がよい。単なるHTML目当てのWebアクセスの場合はそこまで考慮する必要はなく、ノートPC内臓のアンテナでも十分かと思われる。
問題は可搬性なアンテナをユーザが準備したとして、どうやって好ましい位置を特定するかである。電波状況は時間によって変化するので、常時ネットワークパフォーマンスを測定することが正確な値を取得できると思われるが、通常の用途に支障が出る。RSSIならパフォーマンスを失わずにうまくいくかもしれない。