非接触型識別技術の弱点を補う無線通信規格NFC

最近、FeliCaをいぢっているので、非接触型の無線通信について。

ケータイ用語の基礎知識 第307回:NFC とはにて「Near Field Communication」という非接触型識別技術と相互接続技術を組み合わせた無線通信規格について紹介している。

この記事の中で

 FeliCaも日本では、非常にポピュラーな非接触ICカードであり、現在、FeliCaチップが搭載されたカードや、携帯電話が使われています。ですが、使われ方としては、カード側とリーダー側がはっきり分かれており、基本的にカード側はリーダーにデータを読み取られるだけの受身の装置になっています。

 上位規格であるNFCチップ搭載機器では、データは相手の機器へ与えるだけではなく、読み取ることも可能です。

 そのため、たとえばFeliCaの場合、用途としては、FeliCaカード(携帯電話)の中に登録金額、登録ポイントなどのデータを貯めておくプリペイドカードやポイントカードなどに限られていました。

 一方、NFCチップでは、たとえば携帯電話と携帯電話でお互いを認識しあったり、携帯電話と他の家電が互いの能力を調べたりする、というような、より幅広い応用が可能となります。

というくだりがある。コレを読むと、”FeliCaでは携帯電話と携帯電話で通信できない”という意味を伝えている気がするが、確かにその通りでFeliCaはもともとカードのRWを想定しているのでカード側からの書き込みは気を配っていなかった。

しかしながら、最近ではITmedia +D モバイル:903iで変わるもの――FeliCa、GPS、メール機能 (2/3)にあるとおり、903i系のFeliCaなら携帯電話同士で通信することが可能になった。このモードのことを「アドホック通信モード」と呼ぶ。

FeliCaのアドホックモードについては調べていないので分からないが、PaSoRiのようなRWが携帯電話で出来るというだけなのかもしれない(そうなるとシーケンシャルな通信はどうやって実現するのだろうか…)。

FeliCaをいぢっていて思うのは、非接触式として、FeliCaと赤外線、Bluetoothの使い分けである。ドコモでは
Mobile:FeliCa搭載で携帯はこうなるの記事の中で

 ドコモの夏野氏は「かざすだけか、起動するか。赤外線では、チケットを使いたいとか銀行カードを使いたいとか選ばなくてはいけないが、非接触ICではかざすだけでいい」と説明する。

としている。実装上は赤外線からもBluetoothからも起動することは可能だが、これはおそらくセキュリティの問題で、”遠距離”からアプリケーションやブラウザを起動するのはマズいという考えがあってのものだろうと思う。FeliCaの場合は、ユーザが自己の意識で”タッチ”するのである程度は許容してもいいだろうという認識だと思う。

しかしながらFeliCaは連続的な通信をするためには接触した状態を保たなければならない。その点では不利である。それを解決するのが、冒頭で紹介した記事のNFCだとすれば、それは素晴らしいソリューションだと思う。

つまり、将来的には、無線LAN機器がFeliCaを搭載して、AOSSのような鍵交換時にFeliCaのような非接触式のものでセキュリティを確保し、その後は無線LANで通信するというソリューションもあり得るということになる。この考えはアドホックネットワークのセキュリティの観点からも面白いものがあるので、時間があれば検討してみようと思う。

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非接触型識別技術の弱点を補う無線通信規格NFC への1件のフィードバック

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