オープンソースに対する”まつもとゆきひろ”のスタンス

日本発プログラミング言語であるRubyの作者、まつもとゆきひろ氏のインタビュー記事3連載の最終回ITmedia エンタープライズ:まつもとゆきひろ――第3回:僕の存在価値はそこにある (2/4)にて、まつもと氏のオープンソース開発におけるスタンスが語られている。

―― 最近は、海外でも広く使われるようになっていますし、Ruby on Railsによって仕事で使うという人もますます増えてきています。そうした状況の中で、まつもとさんが感じる責任、あるいは受けるプレッシャーというのは変わってきましたか?

まつもと ときどき、社会的責任が……という人もいるのですが、「ふざけるなー」という感じで無視することにしています(笑)。

―― ただ、作っている本人は、あまり意識したくないと思いつつも、ある瞬間から周囲が勝手に何かを期待しちゃうという、ことはありますよね。

まつもと 期待する人は、期待するだけのコストを負担しているか、という話になるでしょうね。そのコストを負担する気があるなら、負担されたコストを使って、その責任を果たすプレーヤーが出てくると思うんですよね。

と、責任は感じながらも感じないように努力している、そして期待する人に対してはコストを負担する気があるのなら、LinuxにおけるRedhatのように管理しようとするビジネスに対してコストを払うべきだ、としている。

オープンソースに対する考えは人それぞれですが、期待するのなら期待するだけのコストを払え、ということになる。もともと企業の中にはオープンソース・ソフトウェアを採用・導入する大きな利点として、「コストの安さ」を挙げるケースが多いような気がするが、ソフトウェア自体が無償で手に入ってもサポート・メンテナンス等でコストがかかる。

そうなるとオープンソースソフトウェアとプロプライエタリとの違いはコストではなくなる。もともとオープンソースソフトウェアの考え方としてコストの安さを追求しているのではなく、メンテナンス性を考えてのことであるのだから、コスト面においては利点はないという認識を持つ方が正しいのだろう。

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無線LANをこよなく愛する虚言者。
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