ICタグと無線LANの見守りシステム

本ブログは11n.jpの中にあるのに無線LANの話題が少ないのはけしからんと最近思い始めてきたので、無線LANな話題オンリーにしようとか考えている。それはともかく…

ICタグ利用の見守りシステム、松下PSS社が実用化にメド:ITproにて、無線LANによるアドホック(自律分散型)ネットワークと無線ICタグを組み合わせた「街角見守りセンサーシステム」にて99.5%以上の見守り率(ICタグを持つ児童数に対するICタグの検出数の比率)を達成したと伝えられている。

中でも興味深い内容は以下のとおり。

 一方、無線LANの通信品質は、2.4GHz帯よりも5GHz帯の方が良くなるのが分かった。各ノード間の通信速度を両方の周波数帯で調べたところ、 5GHz帯の場合はすべてのノード間で、当初の目標だった1Mb/sを確保できた。2.4GHz帯の場合は、通信速度が1けた低かったようだ。実験開始当初に松下PSS社は、周波数が低い2.4GHz帯の方が通信距離を長くでき、使いやすいと考えていた。しかし実際には、「5GHz帯の方が使い勝手が良いことが分かった。実用システムでは5GHz帯を採用する」(宮本氏)という。

この結果はかなり意外である。構内で無線LANを利用するのであれば、2.4GHzが有利になる場面が結構あるし、センシティブであることを実際に体験したこともある。よって2.4GHzの利用に落ち着くことが多いのだが、引用部では5GHzの方が結果が良かったとしている。

理由としては以下の仮説を考えてみた。

  • 構内では2.4GHz帯の方が良いが、野外では5GHz帯の方が有利
  • アドホックネットワークを構築したが、2.4GHzでは付近の住宅からのノイズの影響が大きかった

しかし、1Mb/sを確保するためにどれほどの苦労をしたのだろうか。

m500.pdfに総務省の資料があったりする。

ネットワークセキュリティ技術の導入による新たな街角見守りセンサーシステムを開発 | ニュース | 松下電器産業株式会社にはもっと詳しく書いてある。しかもシステムの基本部分は、総務省の「u-Japan大賞 大賞」を受賞したとも。

ところで、この見守りシステムを考えてみると、なぜ、無線LANアドホックを利用したのかという疑問が残る。「ICタグによる位置認識とアドホックネットワーク」を利用しなくても、「GPSと携帯電話」でいいんじゃないかという意見はあるはず。携帯キャリア網やPHS網を利用した見守りシステムはいくつか提案されている。

よく記事を読むと無線LANが必要な理由は(1)子供の登校中の画像を通知するために大容量の回線が必要(2)携帯キャリアの回線コストが高い、と予想される。

すなわち、携帯回線使用料が高い時代に、かつ決められた範囲の野外(500m四方程度?)で外部と接続された通信を行いたい場合において、アドホックネットワークを構築することは有効である、ということが言える、ということを意味している。

「携帯」or「PHS+GPS」×100人よりも「ICタグ」×100人+「無線LANアドホック設置」+「固定回線使用料」の方が確かに安そうだ。さらに携帯とGPSの組み合わせでは登校中の子供の画像を取得するのは難しく、結局はカメラを設置する必要性が出てくる。そのカメラをインターネット接続するためには携帯キャリア網ではコストが高くつくので、固定回線への接続を可能にするアドホックネットワークが適しているという結論になったのだと思う。

そういった意味では、なかなかよい筋をしている技術であるし、本報告は無線LANの利点をうまく利用している。

こういった発想をさらに展開させていくと、FONとカメラを連携したらどうなるのか、とかアイディアが出てきて面白そうだ。一日中、カメラの情報をFONを通して流れてくる。しかしそんなことをすると無線LANオーナーはトラヒックを制限するなどの措置が必要になるだろう。FONは帯域制限等はどうなっているのだろうか。

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無線LANをこよなく愛する虚言者。
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