無線通信と放送の交わりについて考えた。
無線LANと放送
提言:地上波デジタル放送への国費投入に反対する
無線LANは急速に普及し、その端末の数は今年中に全世界で3000万台を超え、デジタルテレビをはるかに超えると推定される。次世代の無線LANでは、最大54Mbps(テレビ10チャンネル以上)のブロードバンド伝送も可能である。数万円の基地局でテレビ番組を流せる時代に、1兆円以上の経費をかけて行われる地上波のデジタル化は時代錯誤であり、民放連の氏家斉一郎会長も認めるように、事業としても採算は取れない。ここで既成事実を認めると、今後はデジタル放送設備への公的資金(財政投融資を含む)投入の要求が出て、さらに国民負担がふくらむおそれが強い。今回の国費投入は、実質的には零細な地方民放の救済措置だが、「マスメディア集中排除原則」を緩和し、放送局の買収・再編を進めて経営基盤を強化すれば、自力でデジタル化を行うことは不可能ではない。自己責任で事業化できないなら、地上波デジタル放送はやめるべきである。
池田信夫先生が代表。10チャンネルってテレビ朝日なら流せるが、SDTVの10チャンネルってh.264ならできるのだろうか。
ビッグ対談:放送・通信融合を語る!(3) | WBB Forum
亀山 村井先生がおっしゃったように、放送を支えられるような無線通信技術が整ってきたのは、ここ2〜3年のことなのです。しかし、そのような放送に関連する新しい無線通信技術が登場してきていることにたいして、放送関係の人々は、これは放送ではない、放送と関係する技術ではないと、ずっと思っていたのではないかと思います。具体的には、Wi-Fi(無線LAN)あるいはWiMAX(無線MAN)、MediaFLOのような新しい高速無線の技術などです。
最近になって、このような新しい高速無線技術が、実は放送にも使えることに放送関係者は、やっと気がついたのです。このことについて、もっと早く、放送関係者が気づいていれば、Wi‐FiとかWiMAXなどは、通信だけではなく、放送にも使えるインフラ(基盤)にもなりうることを理解できたのです。
良質の対談。亀山先生が”Wi‐FiとかWiMAXなどは、通信だけではなく、放送にも使えるインフラ(基盤)にもなりうる”と仰っている。
自分としは無線LANでは距離的な不利があると考えている。そこでWiMAXに期待しているが、WiMAXでも距離が伸びないという問題点を抱えているらしい。
WiMAXはもともと、固定系の技術(ラスト・ワン・マイル)だから距離は必要ないのでは、とも思ったが、本文中に以下のように言われると厳しい。
「WiMAXは、もともとFixed Wireless Access(FWA)、固定無線アクセスの技術として誕生しました。モバイルWiMAXは、FWAの需要がそれほど高くなかったので、これをモバイル用に拡張したものなんです」(川端氏)
FWAは、ADSLなどの導入が難しい家屋向けのブロードバンドソリューションで、例えばマンションの近くの電柱に置いた基地局とベランダに置いたアンテナを結ぶ通信の技術だ。日本ではスピードネットがこれを採用していたが、今年になってサービスを終了している。
「これに対して802.20は、当初からモバイル通信のために開発された技術です。次世代携帯電話の標準化団体である3GPP2でも、高速化インタフェースとして採用される見込みです。移動しながらの利用なら、802.20が断然有利です」
正直、802.20でも802.16eでも、どっちでもいい。そもそもクアルコムが囲い込みをしなければWiMAXは必要なかった気がする。事業者は、WiMAX陣営とクアルコム陣営の双方のシミュレーションを行って、事業収益を挙げられそうな陣営と手を組めばいい。
無線陣営の放送な動き
YOZAN 個人投資家説明会資料とか
簡易株式交換による株式会社キティライツの完全子会社化とか簡易株式交換による株式会社飛鳥新社の完全子会社化を見ていると、YOZANはマルチキャストによるコンテンツの配信を意識している気がする。説明会資料には記述されていないが。
さらにWiMAXを進めているKDDIがCATVの株式を取得したこともある。
よって、WiMAXを絡めたモバイルマルチキャストによる放送サービスという仮説が出る。そうすることでWiMAXとCATVサービスを絡めたようなサービスが可能になり、WiMAX敷設コストを軽減することが可能になる。
しかし、この仮説は困難だ。その理由は、先に挙げたとおり、Fixed Wireless Access(FWA)の需要が少ないからだ。日本全国、フレッツ光が張り巡らされている状況下、放送を行うために、わざわざ公衆無線系を利用する理由がない。さらに帯域が足りない。そうなるとモバイルWiMAX(802.16e)ならばという話だが、移動しながら映像を見るニーズは、どれほどあるだろうか。という批判にさらされることになる。
ならばと、非常時の通信ではどうかという話だが、1セグで十分だ。
もし先の対談にあったように、データ通信と放送兼用のネットワークを構築する、という話でもあれば、デジタルデバイド解消と放送の進化、という話はあったのかもしれない。それはIP再送信が成った(今でもゴタゴタしているが)今、デジタルデバイドを引き起こしている地域、有線を敷設しにくい地域には有利かもしれない。
本格的にやるためには、デジタル放送システムが整っていない国外に出なければならないというのが、現在、思うことである。